【ネタバレ】映画『ヴェスパー』外はカチカチ、中はネッチョリ【考察】

色褪せた山

みなさんどうもこんにちは!
きです!

あっという間に8月も終わって9月に入りましたね!
まだまだ暑い日が続きますので、みなさんしっかり水分補給してくださいね。

さて今回は2022年公開の映画『ヴェスパー』の感想を綴っていきたいと思います!
この映画はとても不思議な、独特な世界観の映画でした。

荒れた地球を生き抜く少女の物語━━。
切ない…😢

今回のき的評価は4点!
おもしかったです!

まずはあらすじから!

目次

あらすじ

壊れてしまった地球。分断された世界。それでも、少女の小さな希望が世界を変える。
生態系が壊れてしまった地球。一部の富裕層のみが城塞都市“シタデル”に暮らし、ほとんどの貧しい人々は危険な外の世界で僅かな資源を奪い合うように生活していた。そんな外の世界に寝たきりの父と二人で暮らす13歳の少女ヴェスパーは、ある日危険な森の中で倒れている女性カメリアを発見する。シタデルの権力者の娘であるという彼女は、共に墜落した飛行艇に乗っていた父親を探してほしいとヴェスパーに頼み込む。もしかするとシタデルへの道が拓けるかもしれない、父の制止を振り切ってカメリアの頼みを聞き入れるヴェスパー、しかし辺り一帯を支配する残忍なヴェスパーの叔父ヨナスもまた、墜落した飛行艇の行方を追っていた……

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VESPER/ヴェスパー【Blu-ray】 [ ブルーノ・サンペル ]

キャストなど

キャスト
 ラフィエラ・チャップマン
 エディ・マーサン
 ロージー・マキューアン
 リチャード・ブレイク

監督
 クリスティーナ・ブオジーテ
 ブルーノ・サンペル

脚本
 ブルーノ・サンペル
 クリスティーナ・ブオジーテ
 ブライアン・クラーク

上映時間
 114分

ジャンル
 ダークファンタジーSF



まだ見ていない人へのおすすめポイント

今作は近未来の荒廃した地球を舞台に、過酷な世界を生き抜く少女の物語です。
架空の世界を舞台にしているため、現実世界にはない要素が多々出てきてきます。
が、どれもリアリティがあり、現実離れしているといった印象は感じませんでした。

また、今作は独特な世界観が魅力で、とても幻想的で美しいです。
全体的に静かで暗い雰囲気ですが、美しく、引き込まれる世界観です。
SFならではの非現実的な世界観が好きな方にはおすすめできる作品でした。

それでは、これ以降ネタバレを含んだ内容になりますので、まだ映画をご覧になってない方は、ご視聴後に記事を読んでいただけると嬉しいです^^

VESPER/ヴェスパー【Blu-ray】 [ ブルーノ・サンペル ]

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ネタバレ感想 ※これ以降ネタバレを含みます















助けたカメリアも父のエリアスも実は逃亡中の身で、エリアスはヨナスに殺されてしまう。
シタデル兵によってヴェスパーの父は殺され、カメリアも捕まってしまう。
一人になったヴェスパーだったが、遺伝子研究によりタネの封印を解くことに成功し、タネを空から撒いて終わるというラストでしたね。
以下ネタバレを含む感想になります。

独特な世界観

今作の魅力一つ目は、なんと言ってもあの独特な世界観だと思います。

遺伝子研究の結果ウイルスが漏出してしまい、生態系が狂ってしまった地球。
動物は絶滅し、植物と虫と人間だけが自然の世界で生きている。

植物は独自の進化を遂げていて、森の中の植物は意思を持っているようでしたね。
奇妙で不気味だけど、どこか幻想的で綺麗な植物達、とても不思議な世界観でした。

ヴェスパーが研究で作ったという植物も、とても綺麗でかわいかったですよね。
手を近づけると、花びらのような細いヒダが「ハーイ!」とタッチしてました。
かわいすぎます。
植物ともあんな風に接することができるなんて羨ましいです。
あんな植物と暮らせたら毎日癒されそうですね。

すごいドローン

今作の魅力の二つ目は、ヴェスパーとずっと一緒に行動していた相棒のドローンです。
相棒の存在は大きいですよね。
見た目は昭和のちっこいテレビが丸みをおびたようなシルエット。
殺風景な見た目なんで、正面にヴェスパーが描いたであろう顔があって、それがまた愛着が沸きます。
やっぱり人との関りが少ない状況で、物と二人きりになることが多いと、顔を描きたくなるんでしょうね。
『キャスト・アウェイ』の“ウィルソン”みたいな。

キャスト・アウェイ [ ヘレン・ハント ]

そしてドローンは、家で寝たきりになってしまった父とリンクしてました。
父は寝たきり状態で動けないけど、リンクしたドローンと視界が共有されてて、ドローンが見た景色を寝たきりの父も見ることができる。
ドローンはフワフワ浮いてどこでも飛んでいけるし、意識も繋がってて、ドローンを通じて会話もできる。
すごすぎます。
欲しい…。
一体どういう仕組みなんでしょうね。

さらにすごいのが、ドローンの視界と寝たきりの父の視界が同時に存在してるみたいでした。
ヴェスパーが森でカメリアを拾ってきた翌日、カメリアの父を探しに再度森へ行くヴェスパーとドローン。
家にはカメリアと寝たきりの父がいるんですけど、ヴェスパーと一緒に行動してるドローンが

「彼女が起きた」

と教えてくれます。
ということは、家で寝たきりの父の視界と、森にいるドローンの視界が同時に両方存在してます。
同時に二つ視界があるって、すごすぎません?
右を見てるときに左も見てるみたいな。

そんな超高性能ドローンですが、映画の途中で叔父のヨナスに捕まってしまい、中をほじくり回されてしまいます。

中がねぇ、すごいんですよ。











ネッチョリしてます(笑)
ネチョネチョです。
外はカチカチ、中はネッチョリです。

機械チックかと思いきや、内臓チックなんです。

「故障してるから修理してやる」と嘘をついて、ドローンに手を突っ込んでほじくり回すヨナス。
なかなかグロテスクな画。
中から出した手も、内臓チックな粘膜が手にネッチョリついて、もう手はネッチョネチョ。
ヨナス改め、ネチョナスです。

再度手をネッチョリドローンにねじ込んでネチョネチョほじくり回すネチョナス。

ネチョネチョネチョネチョやって、
おもむろに何かを









ぶちぃぃぃっっっっっ!!!


と引きちぎるネチョナス。






「ほら、直ったぞ」











いぃぃや絶っっっっっ対に壊れたでしょ




ヴェスパー

今作の三つ目の魅力。
それはヴェスパーちゃんです。

過酷な世界で懸命に生きるヴェスパー。
見ていて応援したくなる少女です。

ヴェスパーはまだ13歳ですが、寝たきりの父を介護しています。
ヤングケアラーってやつですね。

食べ物もろくにない生活を送っているため、毎日森やネチョネチョの沼に食べ物を探しに行きます。
食べ物と言っても、沼の中の変な植物や虫です。
家の引き出しには生きたミミズをストックしており、貴重な栄養源として食べています。

唯一の親戚である叔父ヨナスは冷酷な人間。
他に頼れる人は誰もおらず、とても過酷な環境で生活しています。
健気で切ない…😢

そんなヴェスパーですが、天才だったんですね。
独学で遺伝子研究の知識を身につけ、独自の植物も開発してます。
開発した植物は、どれもとても綺麗です。

パパはずっと

「研究なんて無駄だ」

と言っていましたが、それでも頑張って必死に研究を続けていました。
いつか研究が認められて、シタデルで働けるように。

その努力がついに報われます。
シタデルで働くなんてことじゃ収まらないような功績を残します。
遺伝子研究によって、一回しか収穫できなかったタネの封印を解くことに成功するのです。
これでタネから何度も作物を収穫できるようになり、飢える必要がなくなる。

タネの封印を解くことに成功したヴェスパーは、物語の最後、ピルグリムが建てたタワーの頂上から、封印を解いたタネを撒きます。

上り始めた朝日を背景に、風に乗ってふわふわ舞うタネ。
そこで物語は終わります。

きっとタネは空を舞って、やがて地面に落ち、時間と共に芽を出し、作物を実らせたでしょう。
何度も収穫できる作物を。

誰に教わるわけでもなく始めた研究、無駄だと言われても諦めず、ヴェスパーが1人で必死に努力して続けた研究が、世界を救う。
いい話ですね。
努力が報われる最後で良かったです。

ネバタレ考察

今作は世界観が独特で、作中では詳細について語られなかった部分が結構ありました。
謎が多い部分について、私のネチョネチョの脳ミソをフル回転させて考察してみました。
結論から言うと、ほとんどのことはさっぱりわかりませんでした。

新暗黒時代

富裕層は“城塞都市(シタデル)”に移り住み、残りの者は荒れた大地で貧しい暮らし。
生き延びるために、シタデルから得たタネを育てた。
だがタネは、一度しか収穫できないよう遺伝子操作されていた━━









なんで?


これはシタデルが、貧困層から搾取するためわざとそうしたのか。
それとも過去の遺伝子研究の際そうなってしまったのか。

物語の後半で、天才ヴェスパーちゃんがタネの封印を解くことに成功します。
そして、“知能ジャグ(次の項目で考察してます)”を造ったことがばれてしまったエリアスは、別のシタデルへの逃亡に当たって、“タネの封印を解く”ということを交渉材料としていた可能性がある、と語られていました。
したがって、シタデルがわざとそうしたのではなく、過去の遺伝子研究の際そうなってしまったんだと考えられます。
シタデルも一度しか収穫できないタネを育てている。

生態系の破壊を阻止するための研究が、とどめを刺してしまうなんて、皮肉な話です。
映画はこういう皮肉な展開が多いですね。

ジャグ

今作では“ジャグ”と呼ばれる人造人間が登場します。
これは、富裕層が住む都市“シタデル”で造ることができるということでした。

カメリアも、後にジャグであることがわかります。
しかもカメリアは“知能ジャグ”と呼ばれる、知能を持ったジャグであり、知能ジャグを造ることは重罪になるということも語られていました。
ということは、通常のジャグはそれほど高い知能は持っていないということなのでしょう。

また、“ジャグは命令に逆らえない”ということもわかります。
シタデルでは命令に従順で知能もそれほど高くない人造人間を造ることができるため、人間の労働力を必要としていない。
これじゃ貧困層はますます貧困に陥ります。

また、カメリアとヴェスパーの会話の際、カメリアが「シタデルではどんな生物も造れる」と言ってました。

遺伝子研究ってのはすごいもんなんですね。
なんでも造れる。
まさに神ですね。
人間は神になろうとして、失敗した。
その末路が、ヴェスパーの世界なのでしょうかね。

カメリア

カメリアは上で記載しているとおり、知能ジャグでした。
通常のジャグとは違い、知能がある、ということなのですが。

このカメリアが、作中、“キスで人を眠らせる”という謎の能力を使います。
でもそのことは詳細に語られませんでした。
これは一体どういうことなんでしょうかね。








どういうことなんですか?



さっぱりわかりません。
キスすることで、カメリアの中のフェロモンかウイルス的な何かが反応して、人を眠らせる物質を解き放つように造られてるんですかね。

もともとカメリアは遺伝子研究者のエリアスが造ったものでした。
知能ジャグの製造は重罪ということでしたので、誰にも知られずこっそり造ったのでしょう。
となると、自分だけのために造ったことになります。

なので、エリアスが「美女のキッスで眠りたい」という願望をオプションとして備え付けたんですかね。
なんていやらしいじいさんなんだまったく。

カメリアが言ってました。
「エリアスが眠るときは体を温めてあげた。願えばなんでもしてあげた」と。












それは一体どういう意味ですか?









まったく。
エリアスってやつは…。









なんで死んだんだまったく。

ピルグリム

作中“ピルグリム(放浪者)”と呼ばれる、ガラクタを集めて徘徊する人達が登場します。
これも謎でしたねぇ。

ただガラクタを集めて徘徊するだけの人達。
なんでそんなことするのか。
語られることはありませんでした。
ヴェスパーの母も、ある日突然声が出なくなって、2日後に失踪してピルグリムになったと言っていました。
ウイルスがピルグリムにしてしまうという説があるとヴェスパーが言ってましたが、真相は不明です。

ただ、物語の最後にピルグリムの集落みたいな場所に行きます。
そこには、集めたガラクタで建てたでっかいタワーがそびえ立っていました。

集落にやってきたヴェスパーを、ピルグリム達は何もせず見つめていました。
そしてヴェスパーがタワーを勝手に上り始めても、誰も止めませんでした。

全くもって謎の存在です。
ただ、ピルグリムはみんな全く同じ格好をしていました。
頭の先から足の先まで真っ黒の布を被って。
頭には真っ黒の、ベビーカーの屋根みたいなカバー。

あれも作ってるんでしょうねぇ。
ピルグリムの制服なのでしょう。

「あのぉ…今日からピルグリムになりたいんですけど…」

て人が現れたら、あれを支給されます。スッて。
あの人たち喋らないんで。スッて。

「あのぉ…私ピンクが好きなんですけど、ピンクないですか…?」

なんて言おうもんなら、もう。

もうね。

とんでもないことになります。

脳みそネッチョネチョにほじくり回されます。

廃墟の実験室のミイラ

ヴェスパーは誰も住んでいない廃墟を実験室として使っていました。
真っ暗な廃墟には謎のとげとげ植物が壁一面にびっしり生えていて、天井からは水が漏れて、じめじめして暗い場所。
部屋には、謎のミイラがあり、ヴェスパーは寄り添うようにそっと手を乗せて話しかけていました。

もしかして、実は家出したお母さん?

とも思ったのですが、多分関係ないでしょう。
恐らくはもともとその部屋に住んでいた人。
亡くなってミイラになってしまった人だと思います。

ヴェスパーは友達もおらず、母も失踪してしまい、寝たきりの父と二人きりでずっと生活しています。

大人っぽいヴェスパーですが、実際は13歳の幼い少女です。
人恋しいでしょう。
たまには父以外の人とも触れ合いたいでしょう。
相手がミイラでも話相手が欲しかったんだと思います。

植物や虫にも優しく接する少女ですから、そこに居たミイラにも、優しく接していたのでしょうね。

子供の血を欲するシタデル

ヨナスは子供の血をシタデルに売ってお金を稼いでました。
ヨナス自身も、シタデルがなぜ血を欲しているのかわかっていませんでした。













あの世界のヨナスにわからないことが、私にわかるわけありません。







これはなんででしょうね。
カメリアが「シタデルの人たちは永遠の命を求めて空虚な人生を送っている」みたいなこと言ってたので、何か関係ありそうです。

若い血があれば永遠に生きられる方法を見つけたのか。
ジャグを造るのに必要なのか。
それとも、エリアスの血を舐めたヨナスが、まずそうにぺっっっ!!て吐き出してたので、血液に何か問題があって輸血が必要なのか。

なんなんでしょうねー。
ごめんなさいさっぱりわかりません。


ただ、ひとつだけわかることがあります。















エリアスの血はまずいっ!!!!





かぁぁぁぁぁぁっっっ!!!
まずいっっっっっ!!!
もう一杯っっっっっ!!!!!

まとめ

今回のき的感想、いかがだったでしょうか。
独特な世界観の映画『ヴェスパー』の感想でした。

遺伝子研究の失敗によって荒廃してしまった世界。

いつか現実世界でも起きてしまうのでしょうか。
そうならないことを願います。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました^^
それではまた!

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